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2016年 日本 予告編 (Click!) 

オダギリジョー、彼の演技は彼の存在があまりフィルターを通さずに演じられてるように思える。 もの静かな印象のまま。 だから彼の演技は強い印象を残さない。 何度見ても『俺、オダギリジョーの演技とか出てる映画あんまり見たことないわ』ってことになる。 それが俺の感じる彼の魅力の1つ。 強くない、圧がない、儚い、そんな彼の良さが好き。 

蒼井優、彼女の変身力は圧倒的。 彼女の演技は、『強い』ではなく、『芯が強い』だと思う。 その演技力のせいで、蒼井優と言う女性の本当の人柄を感じることができないぐらい。 柔らかさ、生々しさ、悪賢さ、妖艶さ、不思議さ、そんな難しい魅力を演技の中で表現してくる。 これは本当にスゴイ。 どう頑張っても速水もこみちにはできない。 さすがの女優。

話は映画の冒頭で感じた印象のまま最後まで保たれる。 その印象は過剰に演出されていないリアルとでも言おうか。 作品の中のオダギリジョーが演じる彼に自分を垣間見る。 どこかにいる『頑張ろうとする自分』と『どうせ俺なんかと思う自分』の後者の方が俺の気持ちに食い込んでくる。 周りの目や評価ばかりを気にするこの時代、そうでなくて今の自分とそしてその自分と一緒にいてる人との大切さを淡々と見せてくれる。 前に進むきっかけを。
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2014年 アメリカ 予告編 (Click!) 

この作品、公開された時からかなりの注目をしていたけど、映画館で観ることができなかった時点で少し観ることを躊躇していた。 そしてその感覚は間違ってなかった。 確実に映画館で観るべき作品だったと思う。 だってこの映画は圧倒的過ぎる作品だから。

この映画を観て多くの人は狂気を感じると思う。 観た人に感想を聞くとほぼその類の感想をなんらかの形で表現してくる。 まあある種そうなんだと思う。 
でもそれ以上に俺が感じたのは懐かしさだった。 本気で指導を受けることの心の高揚をまさか映画を通して味わうことができるとは思わなかった。 自分が小学生の頃に味わった指導と特に変わるところはない。 スティックとバットの違いはあるけど、手から血が流れることさえ懐かしく思えた。 目の前にいる大人から本気で睨まれて大声を出される。 逃げることはできない。 目を外らすこともできない。 ただ震えながら涙を流して必死にやるだけ。 それでも殴られる。 でもやるしかない。 やらないと楽しくない。 逃げたり諦めたりは考えることも選択肢にもなかった。 あらゆることを犠牲にして夢中で取り組んだ時間が自分の中に蘇る。 そしてその口惜しさや必死さが自分の中で昂りに変わる。 快感に変化していく。 当時それが僕の味わった指導の感覚で、それが僕の味わったこの映画の感覚だ。

この作品は世界中の多くの映画賞にノミネートされ、数々の賞を受賞。 その中でも目立って多く獲得してる賞は、J・K・シモンズが演じた助演男優賞。 もうこれはどうしようもない! これ以上があるのかってぐらいのハマリ役と完璧すぎる演技。 脚本の時点で主演を食っているので主役のマイルズ・テラーは可哀想なもんだ。 

始まってから最後の最後まで緊張感にどっぷり浸かりながら観ること間違いなしの最高の映画。
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2016年 日本 予告編 (Click!) 

相変わらず内容は知らなかった。 ただ評判が良かったから見ることにした。 いつもの感じです。 

映画が始まってすぐに、ストーリーの展開がイヤな方向に進むことを予感した。 イヤと言っても嫌いな展開ではなくて、物語自体が暗い方向に進んでいくって意味でのイヤ。 
そんな展開の時は決まって改めて気づかされる何かがある。 新しく気づかされるのではなく、改めて気づかされる。 

この物語で、かなり多くの人が改めて気づかされるんだと思う。 今、一緒にいる人が自分にとってどれだけ大切な人かってことを。 そしてそれを気づくのは、取り返しがつかなくなってからだってことを。 それを改めて気づくまでもなく、しっかりと分かってる人は幸せと言える毎日を過ごしてるんだと思う。

男の心情の変化や葛藤を描いてるこの作品の脚本・監督は女性、西川美和さん。 綺麗な人。 この人はなんでこんなに男の人のことを書けるんだろう?って単純に思うけど、性別の違い以上に人間の内面部分が実はこの作品のフォーカスすべき点だと感じた。 実際は主人公は女性であっても問題はなかったんだと思う。 ただ女性の葛藤からの心情の変化は『力強さ』みたいなものが表現されてしまうけど、男性だと思う存分『空虚』とゆうワード、虚しさ、バカさ加減、女々しさみたいなものが増す。 『あの時頑張れよ!今更頑張っても遅いよ』って(笑)

それを2人の対照的な男性でより分かり易く描かれている。 シュッとした本木雅弘と無骨な竹原ピストル。 虚業と実業。 内面と肉体。 男性ができるだけバカな方が、女性の価値は圧倒的に増す。 最後まで深津絵里の存在感は保たれてたもんな。  
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2016年 日本 予告編 (Click!) 

久しぶりの日本の映画。 宮沢りえが大人になって演じてる作品は全然観たことがない。 彼女の女優としての評価が高いことはよく知ってる。 そしてSNS上でも評価が高い。 ってことで観ることに決めてた作品。

僕はこの作品を通して色んなことを思った。 
これでいいのか? 今の時代でもこれでいいのか? 今の時代だからこそこれがいいのか? フィクションだからこれが成立するのか? もっともっとたくさんの事を考えた。 観ながらもドキッと何度もさせられた。 でもそれは全て世間との調和を考えているから悩まされる。 こうするべきなのか?と。 結局は今の社会のことなかれ主義の観点から観るから疑問に思う。

でも僕の本心を気づかせてくれた。 たくさんの涙が出たから。 まあ、たくさんじゃないけど(笑) 

宮沢りえの演じる幸野双葉に完全に思い知らされたから。 あ、やっぱりこうじゃないとダメだよなって。 圧倒的な包容力、人間の大きさと力強さ、今の時代に忘れがちな人がただ生きるってことの情熱をこの作品がもう一度気づかせてくれた。 
すごい安心できるんだ。 とんでもないこと言い出すけど、でも間違いなく安心できる人がいるんだ。 そんな人になりたいんだ。 そんな事を思いながら泣いてしまう(笑)

今の自分はそんな事を忘れていた。 勝手に決める。 そして実行する。 でもそれを必ずいい方向に向かわせる。 誰かのその時の一時的な気持ちを優先してあげることを、優しさだと穿き違えてるだけではダメなんだ。 もっと熱い愛を。。。
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2016年 アイルランド・アメリカ・イギリス 予告編 (Click!) 

前評判、そして観た人の評価も抜群に高かった作品だし、ジョン・カーニー監督の作品だったら間違いないと思い込む俺がいた。 その時点で観ないわけにはいかなくて、相当楽しみにしていた作品。

そしたらまさかの俺にとっては、今ひとつ大きな印象の残らない作品になった。

まず単純に期待し過ぎたことが、ガッカリ感を大きくさせたことは間違いない。 使われる曲も鑑賞後にはかなり自分の頭の中に残る曲を想像してたけどそれもない。 

そして一番自分の中で気分が上がらなかったのは、脚本と演出の組み合わせの新しさや斬新さの部分だったのかもしれない。 まあ、かもしれないではなく、だった。 まず脚本に意外性がない。 根本的な骨組みの部分の『主人公が女を好きになる、だからバンドを始める』ってのがあまりにも普通。 もし、その普通の脚本で行くのなら演出が全然甘い。 音楽を前面に出してるミュージカル映画ってところに頼り過ぎてるな。 過去のジョン・カーニーの作品ではできてたのにな、イイ演出が。 まあ俺が言うのもなんやけど。 
こんだけ言ったけど、世間的には結構イイ映画です!(笑)
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2016年 アメリカ 予告編 (Click!) 

第89回アカデミー賞 作品賞受賞

アメリカでも日本の試写の段階でもかなり話題になってたし、アカデミー賞の作品賞を獲ったことで観るしかなくなった作品。 

前年のアカデミー作品賞の『スポットライト』、そして今回の『ムーンライト』どちらもアメリカが抱える社会問題が主要テーマになっている。 この作品ではホモフォビア(同性愛嫌悪)がその題材として描かれている。 ヨーロッパでは欧州議会で決議されEUに於ける同性愛嫌悪や性的差別の禁止撤廃が決まっているが、アメリカにおいては人種的、宗教的、さらには合衆国の政治にも大きく関わることとして問題視され続けている。 そう言った意味でこの作品の本当の深みを理解することは、今の日本で生きる俺たちには若干困難なことなのかもしれない。 

この作品は監督と脚本家が別々にいる。 最初に監督のバリー・ジェンキンスがこの脚本を見たときに『このシナリオは俺とは関係ない』と思ったらしい。 なぜなら彼はゲイではないが、脚本家のタレル・アルヴィン・マクレイニーはゲイで自分の子供の頃の体験を物語にしていたから。 ただスゴイことに監督のジェンキンスが調べていくと、彼ら2人はマイアミのほぼアフリカ系黒人753世帯だけの街、リバティ・スクエア出身で同じ小学校に通っていたらしい。 歳も1つ違い。 さらには2人とも麻薬中毒のシングルマザーに育児放棄をされていて、ゲイであること以外は全く同じ境遇を味わって生きていた。 それならやるしかない!ってことでこの作品は作られた。 そんなことってあんの?(笑)

貧しい地区で育った監督と脚本家2人の実体験を元にされているこの作品。 映画でありながら現実でもあって、境目が分からなくなってくる。 1人の人間としてのピュアな部分と黒人社会の汚れた部分とが交差する。 静かにグッと余韻を残してくれるそんな作品。 
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2016年 イギリス 予告編 (Click!) 

誰もが知ってる伝説的バンド、ビートルズ。 彼らのドキュメンタリー映画。
監督はアメリカングラフィティ、コクーン、バックドラフト、『24』Twenty-Foreなど映像の世界では確固たる地位を築いている巨匠ロン・ハワード。 

はっきり言って、めっちゃイイ映画(笑)

なんか、イイって言うかスゴイの一言やな。
どこを切り取っても目が離せない。 むしろもっと観たい。 ビートルズのオタク系のファンにはどう感じるかは分からないけど、俺レベル(オリジナルアルバムなど全部買った)ぐらいには充分興奮できる内容。 それにしてもビートルズは全く飽きない。 普遍的にカッコイイって言える。 

まず印象に残ったのは、彼らのメディアへの対応センス。 風刺が効いていて、ユーモアがあって、それでいて生意気で、でも憎めない。 そんな彼らは記者会見や囲み取材の時でも普通にタバコを吹かしている。 もともとヤンチャだった彼らは当時、品を持つことを教え込まれていたことがバランスを取っていたんだと思う。 

ビートルズは62年にデビューして、ライブ活動は66年までのわずか4年間だけ。 その後は70年のポールの脱退宣言まではレコーディングだけの活動になった。 つまり彼らの活動は8年間だけ。 わずか8年だけのバンドが今もなお世界中で愛され続けているし、そして未だにカッコイイってこと自体がスゴイ。 そんな彼らの当時の熱狂ぶりや苦悩、それによる考えの変化が時系列で収められている。 作品の中でかなりの曲が当時の彼らの演奏映像と共に見れるのも有り難い。 ビートルズの魅力と儚さを知るには、充分に素晴らしい作品と思う。 
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2017年 日本 予告編 (Click!) 

知ってしまったから『観ないとダメだ』と思っていた作品。 
僕は離婚をして以来、夫婦になることがどんなことなのかを考えることが多くなった。 結婚をして子供がいて毎日を生きることを。 考えても分からないし、しないかもしれない、むしろ考えるようなことでもない。 過ごして重ねて乗り越えて、そんな毎日なのかもしれない。 結婚生活は理屈じゃなく、過ぎたから語れることがあるだけだと思う。 でも僕はよく考えてしまう。 それは一度別れたから。 正確には別れること選んだからなんだと思う。 

そんなことを思う僕が、この作品を観て終始泣いていた。 本当にバイブルだと思った(笑) 
両親のことを考え、自分の老後のことを考え、そして誰かと一緒に生きることのヒントを教えてもらう。 俺はお二方じゃないので、もちろん全てが自分に当てはまるものでもない。 でも当てはまりたい。 いいな〜。 素敵だな〜。 って(笑) 

写真のお2人の表情を見ると穏やかな柔らかい生活を想像すると思う。 実際にそうで、季節を感じ自然を感じ相手を思い遣る素敵で素朴な生活が終始スクリーンに映される。 ほっこり女子が好きそうな(笑) 
でも、実はそこじゃない。 この作品の本質は『強さ』にある。 修一さんの哲学、彼の考えを全うし進む強さ。 英子さんの哲学、彼のために生きれば自分に全て還ってくると信じて生きる強さ。 そしてお二方の間にある『絆』の強さ。 それが年を重ねるごとにコツコツと蓄積され、そしてどんどん強固なものになっている。 

よく口を開けばバカみたいに『お爺ちゃんお婆ちゃんになっても手を繋いで歩きたい』って言ってる女が多い。 昔のCMの作戦にまんまとハメられたステレオタイプの女子(笑) そんなもんジジイ、ババアは手を繋がな危ないから言われなくても繋ぐことになる。 そんなもんだ。 お二方が撮影で手を繋いでる時『恥ずかしい』と修一さんが照れ臭そうに言う。 その隣で嬉しそうに微笑んでる英子さんがいる。 そのシーンは最高だった。 そして90歳の修一さんは躊躇なく言う『彼女は僕にとって最高のガールフレンド』って。 
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2016年 アメリカ 予告編 (Click!) 
第89回アカデミー賞 14ノミネート6部門受賞

おもいっきり楽しみにしていた。 早く観たくて待ち構えてた作品は本当に久しぶり。 そりゃ初日の最初の上映で観に行くわ。

とにかくこの作品はヤバかった! ほんまに最高の作品! エンターテイメントとしては俺が観た中では過去最高に高揚感があった。 もうどのシーンもどの音楽も全部が素敵で、めちゃくちゃキレイ。 
まずは始まってすぐのシーンで一気に持って行かれる! さらには女性4人で踊るシーンはもう爽快で痛快でキュートで鮮やか!(笑) ミュージカル感がおもいっきり心地イイ! 

これは書ききれへんからある部分に特化して書くしかないな。 
ってことで、監督・脚本のデミアン・チャゼルがほんまに凄い。 このラ・ラ・ランドの脚本は以前から出来上がってたけど、当時は無名で出資してくれるスタジオが見つからず、見つかったと思えば脚本を変更するように言われる。 変更したくない彼は違う方法で出資してくれるスタジオを見つけることにした。 その方法がとりあえず売れる映画を作ること、そして完成したのが『セッション』である。 セッションが数々の賞を受賞。 その結果、当初から作りたかったミュージカル作品の『ラ・ラ・ランド』の製作ができるようになった。 

実際に作品を見てみると脚本のベースは、ある程度オーソドックスなものと言える。 ただこの作品はそのベースに対しての味付けが凄い! どのシーンをとっても単純に物語が進んでるだけのシーンはなく、全てのシーンにインパクトがある仕掛けがある。 踊り、色彩、仕草、カメラワーク、撮影場所、音楽、脚本を取り巻く演出・脚色がめちゃくちゃ素晴らしい! 
エマ・ストーン、マジで完璧やで! 最高にキュートな女性! そりゃ主演女優取るわ!
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2013年 アメリカ 予告編 (Click!) 

以前、監督のデスティン・ダニエル・クレットンの作品『ショートターム12』を観て彼の存在を知り、そして今回は満を持してこの『ヒップスター』を観る。 

やはりこの監督の脚本は人間の心の中にできる穴にスポットを当てていることが魅力だと思う。 

人は時として自分で切り離そうと思ってもなかなか切り離せない感情や意識を頭の中に根付かせてしまうことがある。 その感情は自分の心どんどん低く、そして奥に向かって押し込んでしまう。 さらにタチの悪いのはその感情はなかなか切り離せなく、長い期間自分の心の中を占領してしまうことも。 
他人からは『あいつはもうダメだ』、ネガティブ、情緒不安定、マイナス思考、トラウマ、色んな言葉で簡単に処理されるけど本人にとってはそんな簡単なものではない。 

そんな心の穴を見つけて支えてくれる人がいる。 その穴から救ってくれる人がいる。 きっかけをくれる人がいる。 そばにいてくれる人がいる。 実はそんな温かく美しい人間の愛情が存在する事実を監督デスティン・ダニエル・クレットンは見せてくれる。